取扱製品 – ジルコニア – (こだわり1)
ジルコニア(Zirconia)
「硬くてキレイだが壊れやすい」というのがセラミックスの特徴ですが、ジルコニアは白い金属と例えられるほど強度が高い素材です。
築盛に使用される長石系陶材と比較すると、なんと約15倍(1400MPa)の曲げ強度があります。
この他にも、透過性がある、生体親和性が良い、金属より軽いという特徴も兼ね備えています。
歯科業界でも、ジルコニアの需要が増えています
ジルコニアはファインセラミックの中で、物性においても強度、審美性、生体親和性、経済性のすべてにおいて最も歯科材料として優れています。
海外での需要が多くなり、日本でも認知度が高まるにつれて、金属に替わる歯科材料となりました。
現在、ジルコニアは歯科材料としても身近な存在となりましたが、今後も、その素材優位性から、需要は加速度的に増加し続けていくと考えられます。
当社は、安全で高品質なジルコニアをご提供します
ジルコニアの普及に伴い、弊社でも補綴物の8割がジルコニアに変わってきております。
しかし、このジルコニアの普及により、出所の不明確なジルコニア材料が出回るようになりました。
これらの中には低価格な材料もあり、ジルコニア含有量の少ないもの、脆弱物質が含まれているものもあると聞き及んでおります。
これらの材料を使用した結果、破損等のトラブルが増えているとのことです。
今後も低価格な材料が数多く流通すると予想されますが、医院さまに安心してご利用いただけるよう、使用材料、製造工程の情報開示の準備を進め、安全で高品質なジルコニアの提供に努めてまいりたいと考えております。
オールジルコニアの進化<色調表現>
オールジルコニアであるパールクラウンは、当初、真っ白なブロックに色をつけただけでしたが、透明度の高いブロックが研究されたことで審美性が良くなり、さらに表面処理の進化によって質感が大きく向上するなど、大きな進化をしています。
発表当初とはまさに別物で、先生方からご好評を頂いております。現在、VITAシェード全色ご指定いただけます。
※ジルコニアという材質上、天然歯のような透明感までは得られません。
また、残存歯列と調和せず、色調も安定しない点はご了承ください。
色調
パールクラウンでは通常、着色無しの無垢の状態で納品させていただいておりますが、ジルカラーによりVITAシェード全色を、サービスで着色することも可能です。
着色することにより、ジルコニア特有の『まっしろなクラウン』にはなりません。
しかしながらジルコニアの性質上、天然歯やセラミックと比べますと透明感がなく、乳白色に仕上がります。
また、ジルカラーの本来の使用方法は、厚みの均一なコーピングに着色するものであり、厚みの不均一なクラウンでは、再現性が低くなってしまいます。
パールクラウンでは正確な色調再現は困難なため、色調での再製はご遠慮お願いしております。
弊社では、上顎臼歯部などの審美性を要求されない部位や、咬合力が強くかかる部位など、メタルクラウンの代わりとしての使用を推奨しております。
対合歯をいためない
ジルコニアは硬いので対合歯が摩耗するのでは?と思われる先生が多いと思われます。
しかしチューリヒ大学のヘンメル教授が、50Nの力を120万回繰り返し加える実験をおこなったところ、研磨済みのジルコニアは天然歯と比べて、対合歯の摩耗度が半分であることが証明されました。
対合歯を摩耗させる原因は、硬さよりも表面の粗さが原因となります。
ガラスにチョークで字を書こうとしても、まったく削れないため書けないのと同じ原理です。
ジルコニアは結晶が超微粒子なので表面性状はとても滑沢です。
対合歯をいためることなく安心してご使用いただけます。
天然歯×天然歯 | 1 |
天然歯×Co-Crクラウン(研磨有) | 1倍 |
天然歯×焼き付け陶器 | 1.5倍 |
天然歯×ジルコニアクラウン(研磨有) | 0.5倍 |
天然歯×ジルコニアクラウン(研磨無) | 3倍 |
適合不良激減<レジン試適>
ジルコニアの強度や安全性が認知され、ロングスパンの症例でも使用されることが増えて来ましたが、ブリッジが長ければ長いほどテクニカルエラーや印象の変形による影響を強く受けてしまいます。
その対策として、6本以上の連結冠を対象にレジン冠での試適をお願いしています(※1)
レジン試適は、CAD/CAMで削り出したレジン冠を使用します。
適合やバイトの確認、調整が容易にできます。
また最終補綴物の形態を歯に近い色で製作するので、患者さんも完成時のイメージがわきやすく、細かい要望等も反映させることができます。
※1
・1本につき1,000円(税別)
・6本以上のBrでレジン試適をおこなわなかった場合で、
適合不良で再製作になってしまった場合には再製料が発生いたします。